遺跡ファイル

奈良時代終末〜平安時代 南田瓦窯跡 みなみだかわらかまあと
 上総国分僧寺の南側小谷に面して造られた瓦窯です。上総国分寺の瓦は、創建当初は僧寺・尼寺双方とも川焼瓦窯や南河原坂(みなみかわらざか)窯跡(千葉市)から供給されていましたが、平安時代前期になると僧寺・尼寺それぞれ独自の補修瓦を使うようになります。僧寺の瓦を供給したのが南田瓦窯跡、尼寺の方が祇園原瓦窯跡で、南田瓦窯跡は有畦式平窯(ゆうけいしきひらがま)と呼ばれる形態です。瓦窯跡4基のほか、粘土採掘跡・粘土貯蔵跡からなる瓦製作跡も発見されています。

『房総考古学ライブラリー7 歴史時代(1)』(財)千葉県文化財センター 1993年
『千葉県の歴史』資料編 考古3 (財)千葉県史料研究財団編 1998年
『上総国分僧寺跡II』 市原市教育委員会編 2016年