遺跡ファイル

古墳時代中期中葉 稲荷台1号墳 いなりだい
 稲荷台古墳群は、市原台地を北西から刻む谷筋に面した立地の、12基からなる古墳群です。1号墳はこのうちで最大の直径28m程度の墳丘を持つ円墳です。
 墳丘上には2つの埋葬施設があり、どちらも木棺に葬られていたようです。中央の木棺痕からは、鉄剣3・短甲1・鉄鏃10・刀子1、北の木棺痕からは、鉄刀1・鉄鏃10・胡ロク金具1式・きさげ状金具1・砥石1が出土しています。中央棺の鉄剣のうち1本は、復元する過程で、「王賜」を含む銘文を表裏に持つことがわかりました。
『「王賜」銘鉄剣概報』市原市教育委員会編・吉川弘文館刊