貝輪づくり体験 in 佐賀 |
| 2012年8月18日(土) 佐賀県佐賀市教育委員会から依頼を受け、貝輪についての講演&貝輪づくりに、埋・文調査センター職員を講師として派遣しました。午前・午後の講座には、一般の方や学生、小学生とその保護者の方など、およそ80名が参加してくれました。 |
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| 今回会場となったのは、「東名(ひがしみょう)縄文館」と呼ばれる施設です。 |
| 東名遺跡は、およそ7,000年前、縄文早期の貝塚で、低地性のものとしては国内最古、また早期のものとしては国内最大級の遺跡で、貝塚によって貝や骨類が良好に残されていたことに加え、低地性であることから木器や植物性の遺物が良好に保存されていました。とくに、数百点もみつかった「編みカゴ」類は、縄文時代の極めて精巧な製作技術を私たちに伝えてくれる資料として注目されています。現在、遺跡は部分的に保存され、国の指定史跡を目指した作業が続けられています。 |
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| 貝塚からは、早期のものとしては大変珍しい、ブレスレットやペンダントに使われた貝製品がたくさんみつかっています。 今回の講座は、これらを教材にして、「東名遺跡をもっと身近に感じよう」という意図で企画されました。 |
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| 館内には、土器・石器・骨角貝製品・木器・植物質製品などの一部が展示され、写真や図などを使って遺跡の内容が解説されています。厚さ1.5mにもなる貝層は、貝の保存状態が極めて良く圧倒的な迫力です。 |
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| 講座前日には、会場の準備に加え、佐賀市の職員の方に対して「貝輪づくり」のレクチャーと実演をおこない、今後自前で体験講座がおこなえるよう作り方のコツをつかんでもらいました。 練習用に使用したのは九州北部の玄界灘採集のベンケイガイ。死んでから時間が経過し、殻の周囲が摩耗したものが多く、また大きく厚い個体がほとんどだったのですが、貝輪づくりには支障ないことがわかりました。今後は、これら地元産の貝を定期的に採集してきて講座に臨んでもらいたいと思います。 |
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| 午前中は一般の市民の方を対象に、「貝輪の考古学」と題する講演をおこないました。参加者は熊本や福岡の大学からわざわざ駆けつけてくれた学生を含むおよそ40名の方がたで、会場はほぼ満員状態でした。写真や図、さらに動画を使って縄文から弥生の貝輪について、とくに九州を舞台とした話題を多く採り入れながらお話しました。1時間半の講演後には、多数の質問もあり、みなさんの貝輪に対する興味の深さを感じました。 |
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| 会場には、現生貝を使って製作した各種貝輪など、貝を手に取ってみられる展示もおこないました。また、特別に東名遺跡で出土した貝輪の実物を展示ケースから出し、間近で見てもらいました。右は遺跡からみつかった5種類の貝輪。縄文早期のものとしては極めて珍しいものです。 |
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| 午後は、「貝アクセサリーをつくろう」と題した貝輪づくりの体験講座です。まずは午前中と同じ会場で、貝輪について写真や図、動画を使いなから知ってもらいます。小学生とその保護者の方、そして午前中の部から参加してくれた学生や大人の方で午後も会場は一杯でした。 |
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| 展示していた現生貝で復元した貝輪を使って、「貝輪に適した貝はどれか」、参加者代表の子供たちと考えてみました。第一印象の一番人気はやはり「ベンケイガイ」。それぞれ装着してみて、その良し悪しを確かめました。男の子に人気のアカニシは、腕にはめてみるとすごく重いことがわかりました。 |
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| いよいよ貝輪づくりの体験へ。展示室内のオープンスペースを使います。まずは道具と使い方の説明。 |
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| 次に作り方の説明と実演。初めて見る「貝輪づくり」。石やシカの角だけで貝に穴がどんどんあくと、会場には歓声があがります。 |
| 貝輪づくりのスタート。練習用の貝で、石やシカの角など道具の使い方がわかるようになったら、いよいよ本番です。 |
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| 1 貝を選ぶ 材料の貝は千葉県の鴨川の海で拾ったものです。大きさ・かたち・厚さ・色など、気に入った貝を選びます。大きさは、低学年用のMサイズと高学年用のLサイズに分けてあります。 |
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| 2 石のハンマーによる穴あけ 貝輪づくり成功の秘訣は最初の穴あけにあり。練習で教わった「打点」をはずさないよう、力をこめて「えいっ」。緊張の一瞬 |
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| 3 シカの角のハンマーによる穴の拡張 初めてさわったシカの角でしたが、段々うまく使えるようになってきました。傍らに置いてあるのはハンドブック。写真やイラスト満載の冊子は、佐賀でも好評でした。 |
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| 4 砥石での仕上げ 千葉県銚子産の砥石を使って内縁や表面を磨いていきます。指でさわってザラザラしなくなったら完成です。参加してくれた子供たちのほとんどが装着できました。腕にはまった時の得意げでうれしそうな笑顔。少し縄文人の気持ちに近づけた瞬間です。九州にもまた一つ、「貝輪づくりの輪」ができることを願っています。 |