ここまでわかった市原の遺跡

第2回発表会を開催しました

 3月7日(日)に、「ここまでわかった市原の遺跡」第2回発表会を開催しました。
 平成19年度までの遺跡発表会に代わり、最近は急速に進んできた市内重要遺跡整理作業の成果から、テーマを一本に絞った発表を実施しています。
 今回はその第2回目。テーマは「よみがえる天平の甍」。上総国分僧寺跡をとりあげた企画です。

 上総国分僧寺跡の発掘調査成果は、昨年度にようやく公開されたばかりです。
 午前に隣接する市原市中央武道館で行われた講演では、調査の実際から調査成果、課題などを明らかにし、午後は本センターで企画展示の説明会が開かれました。
 全国的に貴重な資料を一挙公開しただけあって、事前の電話受付にて早々と定員に達してしまい、一部の方々には映像のみの配信となってしまったこと、お詫びいたします。
 おかげさまで大きな成果を得ることができましたこと、御礼申し上げます。
中央武道館  市原市中央武道館。午前中はこの建物を会場に、講演会が開かれました。
よみがえる天平の甍 受付  あいにくの天候にもかかわらず、多くの方々にご来場いただきました。
 左は受付をされる人々。無料ですので、今後ともぜひ気軽にお立ち寄り下さい。
発表要旨と冊子「発掘いちはらの遺跡3号」  受付では発表要旨(写真右)を無料でお配りしたほか、『発掘いちはらの遺跡』3号の販売も行いました。冊子は発表会と同じ特集。講演・展示のテキストとしても使える万能情報誌として大好評でした。
 36ページオールカラーでわずか150円。絶対お得です。詳しくはこちら。
よみがえる天平の甍 メイン会場  来場者は講演会場の定員をはるかに越える188名。
 9:00の開会前には満席の状態となりました。
映像配信班  メイン会場に入れなかった方のために、映像配信も行いました。
 写真はその撮影班。
ここまでわかった市原の遺跡 教育長挨拶  山崎正夫教育長によるご挨拶。
櫻井学芸員の発表  最初の講演は「上総国分僧寺のあゆみ」。
 整理作業を担当した櫻井敦史による発表です。
 上総国分僧寺の誕生から衰退にいたる歩みを追いました。
講師山路氏の発表  続いては、市立市川考古博物館の山路直充氏による「下総国分寺」。
 氏は下総国分僧寺の発掘整理を担当されており、その実例を紹介されました。
 また、国分寺の空間構成にも鋭く切り込まれました。
山路氏が下総国府について語る  さらに下総国の国府域についても、大胆な空間分析を試みられ、興味深い講演となりました。
須田勉氏の紹介  最後は国士舘大学教授の須田勉氏による「聖武天皇と国分寺」。
 須田氏は国分寺の研究者として著名で、若い頃は上総国分僧寺の発掘調査を担当されました。
 写真は講師の紹介風景。
講師 須田勉氏の発表  発掘調査の開始当時は、まだ埋蔵文化財の保護が行き渡っていない時代。大規模な調査の継続には想像を絶する苦労があったようです。
 当時の体験を語られる須田氏。
講演会場  当時の朝廷の動向から国分寺建立への流れに迫る、スケールの大きな講演になりました。
 参加された方々にも、ご満足いただけたようです。 
展示替えしたエントランスホール  午後は埋蔵文化財調査センターに移動し、特別展「上総国分僧寺展」の解説が行われました。
 特別展の開催にあわせ、エントランスホールの常設展示も模様替えしています。
特別展示風景  特別展示の会場は2階です。
 上総国分寺の貴重な資料を出品しました。
上総国分僧寺展  解説にも多くの方々が参加されました。
 展示入口が国分寺誕生に関係するブースで、奥に進むにつれ、時代を新しくしています。
上総国分寺の誕生  上総国分寺の成立に関するブース。
 上総国分寺は、仮設的な寺としてスタートしましたが、造営計画を刷新させ、本格的な伽藍が造られています。
 その頃の重要資料が展示されています。
上総国分寺の瓦  上総国分寺から出土した瓦を、昔のように実際に葺いてみました。
 行基葺きの迫力は必見です。
上総国分僧寺の被災  上総国分僧寺の中心伽藍は、平安前期に一度大破します。
 その物証を並べたブース。
 貴重品の風鐸も出品しています。
萩ノ原遺跡出土瓦塔  こちらは国立寺院の国分寺に対する、「ムラの寺」の様子を示したブース。
 萩ノ原遺跡の瓦塔を出品しました。こちらも展示の機会が少なく、必見です。
萩ノ原遺跡の遺物も出品  他にも萩ノ原遺跡の風鐸なども出品され、僧寺の風鐸と見比べることができます。
平安後期の二度目の火災  再び僧寺の展示。
 上総国分僧寺は、11世紀の中頃に、再び火災に遭います。
 その物証となった資料を展示したブース。
鎌倉時代に復興を遂げた上総国分寺  11世紀に衰退した上総国分寺は、鎌倉初期に復興を遂げます。
 中世の国分寺を示すブース。
灰釉浄瓶も展示  会場の中央には、日本の至宝とも言える、あの灰釉花雲文浄瓶も展示しました。
須田勉氏 山路直充氏  上総国分寺の瓦を前に、語り合われる須田・山路氏。
文化財の映像配信  会場がせまいため、参加者は2班に分けさせていただきました。
 待ち時間には文化財の映像などを上映しました。
 今回の講演と展示により、寺院地の発見や成立期の造営計画の変更、明かにされた寺の付属施設の全貌、二度の火災と中世の復興など、全国初の発見と、その重要性がお伝えできたのではないかと思います。
 本センターでは現在も重要遺跡の整理作業を進めておりますので、同じような試みを今後も続けていくつもりです。

 またのお越しをお待ちしております。
お知らせ
特別展示は6月30日(水)まで見学できます。ただし土日・祝祭日は休館ですのでご注意下さい。展示をご覧になりたい方は、事務室まで申し出て下さい。職員が解説いたします。