電脳展示室
人物埴輪(じんぶつはにわ)
国立歴史民俗博物館撮影
出土地:山倉1号墳(やまくら)
遺跡所在地:国分寺台・西広(さいひろ)
遺構:前方後円墳中段テラス
時代:6世紀末

解説:養老川を見下ろす台地縁に築かれた前方後円墳に並べられていたものです。主が葬られた横穴式石室の前から、古墳の外を向いて一列に並べられていました。左から3番目の埴輪が1.2mの高さですので、両脚を表現したものはだいたい子供の大きさです。みんな垂れ目の顔がよく似ています。
 山倉1号墳の埴輪は、これとそっくりな人物埴輪が埼玉県を中心にで見つかっていることや、使われている土の分析から、埼玉県鴻巣市にある埴輪窯群生出塚(おいねづか)遺跡で焼かれて、はるばる運ばれてきたと考えられてきました。そんななか、最近になって、埴輪の表面につけられたハケメが、生出塚遺跡のものと一致することが確認でき、そこで作られたことが確実になりました。円筒埴輪や形象埴輪を含めすべての埴輪が、80km以上の距離を運ばれてきたというわけです。
 いったいなぜ、そんなに遠くから持ってきたのでしょうか。この現象については、埴輪を作る人たちの属する集団の支配者同士の関係による、という意見や、その時代には、石室など古墳に関わる他のものを作る集団と埴輪を作る集団の役割分担がはっきりしてきて、埴輪の供給元がかたよるようになる、という意見などがあります。
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