遺跡ファイル

古墳時代中期 姉崎山新遺跡 あねさきさんしん
検出された円墳の周溝。墳丘は失われている。
櫛描き文様の埴輪
 姉崎山新遺跡では砂堆上に展開する群集墳が検出されています。同じ砂堆の南西端には大型前方後円墳、姉崎二子塚古墳が築かれており、この古墳の被葬者に従った当時の人々の姿が目に浮かびます。
 円墳の一部からは、櫛描き文様のある非常に特徴的な埴輪の破片が出土しています。ナデ仕上げの後に、櫛状工具によって格子状文・弧状文・波状文が描かれており、体部には埴輪を焼いたときの痕跡である黒斑が認められます。また、突帯も幅の広い特徴的な形状をしています。
 山新遺跡のものと同じような技法で製作された埴輪は、椎津外郭古墳に近い五霊台遺跡からも出土しています。両遺跡の埴輪の系譜とともに、それぞれの古墳築造者の関係が注目されます。